
「太陽光発電って本当に元が取れるの?」
そんな疑問をお持ちではありませんか?
特にオール電化のご家庭では、電気代が家計の大きな負担になりがちです。
だからこそ「投資に見合うのか」「何年で回収できるのか」が気になるところです。
幸い、宮崎県は日照時間が全国トップクラス。
太陽光発電にとって非常に恵まれた地域です。
このページでは、宮崎県在住・4人家族・オール電化住宅をモデルに、太陽光発電が何年で元を取れるのかシミュレーションします。
初期費用の目安(5kWシステム)
住宅用の太陽光発電システムは、4〜5kWが標準的。
2024年時点の市場価格は 1kWあたり約28.6万円。
→ 5kWの場合、およそ 143万円 が目安です。
(パネル代・パワーコンディショナ・架台・工事費を含む)
ここ数年で設置費用は下がっており、
実際には 100〜150万円前後 に収まるケースが大半です。
宮崎の発電量と電気代削減効果
宮崎県は日照条件に恵まれており、5kWシステムで年間約6,800kWh を発電できます。
一方で、4人家族・オール電化住宅の年間使用量は 約5,000kWh前後。
つまり、家庭で消費する電力を十分にまかなえる発電量です。
ただし、発電した電気をすべて家庭で消費できるわけではありません。
ここでは 自家消費40%(=2,700kWh) と仮定します。
- 電気代単価:20円/kWh
- 年間節約額:約5.4万円
なぜすべてを自家消費できないのか?
発電した電気をそのまま家庭で使えれば理想的ですが、実際には一部が余ります。
その理由は、発電のタイミングと家庭の使用タイミングが合わないからです。
① 発電のピークと使用のピークがズレる
- 発電のピークは「日中の10時〜14時」。
- 家庭の使用ピークは「朝と夜」。
→ そのため、昼間の発電量の一部が余ってしまいます。
② 季節や天候の影響
- 夏は昼間の余剰が大きく、冬は夜の消費が追いつかない。
- 曇りや雨の日は発電が少なく、系統から電気を買う必要が出ます。
③ 家電の利用習慣
- 洗濯機や食洗機は朝や夜に使う家庭が多い。
- 照明・エアコンも夜間に使用が集中します。
→ こうした要因で、すべてを消費できずに余剰分が発生し、売電に回る仕組みになっています。
売電収入の試算
余った電気は電力会社に売ることができます。
2024年度の固定価格買取制度(FIT)の売電単価は 16円/kWh(10年間固定)。
発電のうち60%(=4,100kWh)を売電すると…
- 年間売電収入:約6.5万円
経済効果の合計
節約+売電を合わせると…
- 電気代節約:約5.4万円
- 売電収入:約6.5万円
- 年間合計:約12万円
つまり、1年で約12万円の経済効果が見込めます。
補助金で初期費用がもっと軽くなる
宮崎県では、太陽光発電に 最大21万円の補助金 が支給されます。
さらに市町村によっては、追加で補助があるケースも。
例:県補助金21万円を利用した場合
- 初期費用 143万円
- → 補助金適用後 実質122万円
シミュレーションまとめ
内容 | 金額・数値の目安 |
---|---|
システム容量 | 5kW |
初期費用 | 約143万円 |
補助金後の実質負担 | 約122万円 |
年間発電量 | 約6,800kWh |
年間の電気代削減 | 約5.4万円 |
年間の売電収入 | 約6.5万円 |
年間の経済効果合計 | 約12万円 |
費用回収までの目安年数 | 約10年 |
10年より早く元を取るための工夫
「10年は長い」と感じる方もいるかもしれません。
しかし、工夫次第で回収期間を短縮することも可能です。
① 蓄電池を導入する
発電した電気をためて夜に使えるため、自家消費率が向上。
電気代の節約効果が大きくなり、売電依存を減らせます。
② 電気料金プランを見直す
時間帯別料金プランと組み合わせると、昼の自家消費がより効果的になります。
③ 電気の使い方を工夫する
食洗機・洗濯機・エコキュートを昼間に動かすだけでも、自家消費比率が上がり節約効果が高まります。
④ PPA(第三者所有モデル)の利用
初期費用ゼロで導入し、毎月の利用料を支払う仕組み。
補助金や電気代削減と組み合わせれば、早期にメリットを実感できます。
蓄電池を組み合わせた場合のシミュレーション
蓄電池を導入すると、昼間に発電して余った電気をためて夜に使うことができます。
これにより「売電」から「自家消費」へのシフトが進み、節約効果が大きくなります。
モデルケース(5kW+蓄電池10kWh)
- 発電量:年間6,800kWh
- 自家消費率:40% → 70%(=4,800kWh) に増加
- 電気代単価:20円/kWh
→ 年間の電気代削減額:
4,800kWh × 20円 = 約9.6万円
売電に回るのは残り2,000kWh程度となり、
16円/kWhで 約3.2万円 の売電収入になります。
- 電気代削減:約9.6万円
- 売電収入:約3.2万円
- 合計:約12.8万円/年
- 昼間の余剰電力を蓄電池に充電し、夜間に使用できる
- 自家消費率が40% → 70%に大幅アップ
- 売電依存が減り、電気代削減効果が増加(5.4万円 → 9.6万円)
- 夜間や停電時も蓄電池から電力を供給でき、安心感が向上
導入費用と回収期間の目安
- 太陽光 5kW: 約143万円
- 蓄電池 10kWh: 約120万円
- 合計: 約263万円
- 補助金適用後: 約240万円(※市町村補助でさらに減額の可能性あり)
→ 年間12.8万円の効果とすると、
回収期間は約19年。
⏱ 回収期間:約10年
⏱ 回収期間:約19年
ポイント:メリットは回収年数だけではない
「蓄電池は高いから回収に時間がかかる」というのは事実です。
しかしメリットは単純な費用回収だけではありません。
- 停電時のバックアップ電源として安心
- 電気代の値上がりリスクに備えられる
- 夜間や雨天時も自家発電を有効活用できる
- 将来、売電単価がさらに下がっても影響を受けにくい
つまり、家計の節約+防災+安心感を同時に得られるのが蓄電池の魅力です。
家庭のライフスタイルによる違い
同じ4人家族でも、電気の使い方によって効果は変わります。
共働き家庭(昼間は不在が多い)
→ 昼間に発電した電気を使いきれず、売電が中心に。
売電単価が下がるとメリットも減少しやすいため、蓄電池の導入が有効です。
在宅時間が長い家庭
→ 昼間に発電した電気を自家消費できる割合が高く、電気代節約の効果が大きくなります。
子育て家庭
→ 洗濯や食事の回数が多く、昼間の使用電力が増えがち。
太陽光の恩恵を受けやすいライフスタイルです。
結論:宮崎では10年前後で元が取れるが、工夫次第で短縮可能
シミュレーションでは約10年で投資回収が見込めますが、
蓄電池や電気の使い方を工夫すれば、さらに短縮することも可能です。
太陽光パネルは20年以上使えるのが一般的。
つまり10年を過ぎれば、家計にプラスの効果が長く続きます。
家族のライフスタイルに合わせて活用すれば、
宮崎での太陽光発電は「お得」と「安心」の両方を実現できる選択肢です。
